笑いの仮面(新ムーミン)
2014年 10月 03日
ムーミン谷では毎年仮面祭りが行われ、その日だけは仮装していつもとは違う自分になれる。
子供たちは冒頭で、お祭りにそなえて仮面を買いにいきます。
みんな各々好きなものを買いますが、スニフだけは仮面売りのおじさんが磨いていた笑いの仮面を気に入り、売り物じゃないと言われても粘り、皆が帰ってからもおじさんを見つめ続ける。
ついに折れたおじさんは、「売ってもいいが、必ず仮面祭りが終わったら慣習通りに焼け、そうしないとどうなっても知らないぞ」と言ってくれる。
スニフは仮面が手にはいった嬉しさで、生返事をしたあと跳び跳ねて帰る。
お祭り当日、みんな仮面をつけて踊りご馳走を食べているが、一人がとても上手に踊り出す。
しばらくして、「あ、スニフだ!すごいや、こんなにダンスが上手かったなんて!!」とみんなが気づく。
いつもは目立たず、誰も気にしないようなスニフだが、ダンスでみんなの視線をあつめ、主役に。
お祭り終了後、みんなは集まって焚き火で仮面を焼く。
「明日から、またいつもの私たちだ」的なことを呟くムーミンパパ。
怖いわ。
隠れて焼かないスニフ。
「この仮面のおかげで僕は人気者になれたんだ、焼いたりなんかするもんか」
うろ覚えですがこんな感じのことを呟いてスニフ逃走。
なかなか切ない。
しかし次の日からはお祭りなんてやってないから、ダンスで目立つことは不可能。
スニフは笑いの仮面でみんなを脅かして目立とうとする。
村は大騒ぎになり、スニフは大人に取っ捕まる。仮面を取れ!!と怒られ取ろうとするが、なんと仮面が取れない。
そのうち笑いがおさまらなくなり、自我もなくなってただ笑うだけの存在になってしまう。
ヘビィすぎるぜ…
仮面売りのおじさんにスニフを戻す方法を聞きにいくと、仮面の女王様に直談判してこいと仮面の国に飛ばされる。
仮面の女王様は子供たちに、スニフを泣かせることが出来たら仮面を外してやんよ、泣かせられなかったら連れていくからなと告げる。
色々試行錯誤するが仮面をつけたスニフは笑い続けるだけ。女王様はスニフを仮面の国の住民にしようと奥に引っ張っていこうとする。
スニフが本当にいなくなってしまうのだと思うと、子供たちは悲しくなって涙を流す。すると笑いの仮面も涙を流し、外れてしまった。
女王様に認めてもらい、元の世界に戻ると仮面売りのおじさんは木にくくりつけられたただの仮面に変わっていた。
最後に、仮面をみんなで焼いて終了。仮面が燃え尽きるとみんなスニフを置いて帰ってしまう。スニフがみんなを走って追いかけて、終了
謎の多い話ですが、感想と妄想を。
・笑いの仮面とは何だったのか?
特別な日(非日常)にだけスニフを目立たせてくれるもの、だけでは物足りない。
目立ってるスニフの象徴でどうでしょう。
はしゃいでいい日にはしゃぐのと、普段暴れるのは違う。目立つのはいいが、悪事で目立つな。こういうことかしら?
この話のスニフの立ち位置は
一芸で目立つ人
↓
犯罪者(というほどは重くないけど)
↓
狂人
↓
凡人
です。萩尾望都のマンガに、最初はサロンでちやほやされたけれど、段々厭きられて下らない仕事をするようになり、友達まで失った人がいましたが、途中までそんな感じにも見えます。
一度大事にされたのが忘れられず…というのは生々しい話ですね。
子供向けのアニメなのに重すぎる教訓です。
仮面をつけて頭がおかしいようなマネまでして目立つよりは、みんなに気にされないような冴えないスニフの方がマシということでしょうか。きつい。
もう子供向けのアニメを見てはいけないような年齢の私でも耳が痛くなるようなテーマです…。
・おじさんは何者だったのか?
上の解釈でいけば、スニフをプロデュースした人でしょうか。
でも一応止めてくれるんですよね。
スニフが助からなかったパターンの成れの果てにも見えます。
高野聖やキルケー(山岸凉子)を思い出させるような。
とりあえず三作だけ感想あげましたが、もしかしたら増えるかもしれません。
新ムーミンは本当に良くできてるし作画もいいので、是非見てみてください!!